May 1, 2012. Written in Chiang Mai, Thailand.
彷徨う異邦人5 バンコク編
着いた夜に見つけた宿は居心地がよく、本当のところは宿を変えたくなかったが、値段が高いのでさすがに何泊もできない。ところが、朝寝坊してチェックアウトの時間をすぎてしまい、とりあえずもう一泊してから移動することにした。
重いバックパックを背負いながら宿を探すのも大変だし、今日という一日を、新しい宿探しに当てよう。ネットで調べると、バックパッカーが集うことで有名なカオサン通りがあるらしい。ところが、カオサン通りの付近にはまだ地下鉄の駅がないので、バスで行かなければならない。どうせ時間があるし、今日は歩いてみようではないか。そんなわけで、40度近い温度でバンコクのめちゃくちゃな街を歩いた。汗をかきながら重い足を引きずって歩き、途中で何度も道を聞きながら進んだ。そこで気づいたことが一つ。タイ人――少なくともバンコクの人――は英語の平均レベルがアジアにしてはかなり高め!
今日まで泊まっている宿は街の中心にあり、多くの高層ビルが立ち並び、ビジネスマンが街を歩き、その中にはリッチは外国人のサラリーマンも多い。バンコクも大分進んでる街だなー、と思うが、進めば進むほどどんどん街はめちゃくちゃになっていき、汚くなっていき、臭くなっていく。
15分ほど歩くと、Siom駅までたどり着いた。これは東京で言うと渋谷みたいな場所らしく、大きなデパートや派手な繁華街が伺える。また、日本人専用の「夜の街」もあり、カラオケからピーサロンまである。
ずっとまっすぐに進み続けると、あたりは少し静かになり、なぜかスポーツ用具屋さんが集中している通りに出る。ゴルフ専用の店もあれば、ムエタイの店もあれば、トロフィーやメダルを売っている店もある。バンコクの人たちは、スポーツが好きなのだろうか? そういえば、ときどき公園や広場などで、タイ式のフットバレーボールを行う人たちがおり、とても派手なキックを披露している。まるで少林寺サッカーみたいだ!
その後も、ひたすら同じものを売っている店が並ぶ。家具屋さんが並ぶ地区とか、仏像を売る店が並ぶ地区とか。思うのだが、同じ地区で同じものを売ると、いったいどうやって商売がなりたつのだろうか? 自分の店にしかないものを売ってはじめて、商売がなりたつのではないのだろうか?
ちなみに、このあたりは中華街みたいだ。店の看板は中国語になっているものが多いし、人の顔も中国人っぽくなっている。進んでいくにつれて、食堂が増え、美味しそうにチャーハンやラーメンを平らげる人たちを見ていると、僕もそろそろ何かを食べようと思う。だが、一人だと店は入りにくいし、もう少し歩いてからにしよう、と決め続けていると、気がつくともう食堂も見かけなくなった。
大きな広場に出て、お寺と城らしきものを見かける。セブンイレブンで道を聞くと、そのまままっすぐに進むように言われた。まっすぐに進むように言われ続けて、もうかれこれ2時間近くたつ。本当にいつかたどり着くのだろうか? もう汗だくだし、そろそろ疲れてきた。
ちなみに、タイはセブンイレブンが非常に多い。そして、なぜか店の前にかならずコインを挿入しないといけない体重計が置いてある。ちょうどダイエット中だし、便利だ。しかし、まだまだやせなければならない!がんばろう!今日は昼飯をぬきにするぞ!
広場をすぎると、外国人がどんどん増えた。こりゃもしかして、目的地のカオサン通りにたどりついたのだろうか? 派手な格好をする外国人ばかりだ。タトゥーを入れてる人とか、ビキニ姿の金髪女性とか、大きな腹を丸出しにして歩くデブとか、いったいどんな下品な場所だ、カオサン通りは!?
カオサン通りを歩いていると、とにかくいろんな人を見かける。でも、共通していえるのはどれも下品であること。ここは無国籍地だ。それも、下品な無国籍地だ・・・・・・。
つきあたりに、「レインボーホステル」というインド人が経営しているホステルがあり、一泊150バーツ(350円くらい)だった。これほど安いところは、このバンコクにはなかなかない。予約してからまた店を出た。
さて、ここからまた戻らなければならない。どうするのか!? また歩く? ちょっと遠すぎるなー。と、とりあえず、どうすればよいかよくわからないまま、結局また歩き始めた自分に気がつく。ダメダメ、このままではもたない。ということで途中で適当にバスを拾って、乗った。どこか地下鉄の駅までたどり着けば降りよう!
バンコクは魅力的な街だが、大きな問題が一つ。交通機関がめちゃくちゃだ! 道は必ずと言っていいほどに大渋滞し、ちょっとした距離でも1時間かかったりする。だから、道を知っていれば、バスを使うよりも歩く方が断然に早い。だが、僕は道を知らないのだ・・・。
バスはしばらくの時間、川沿いに進んだ。信号待ちがほとんどで、景色を見るのにもさすがに長すぎる。途中のバス停に多くのタイ人が乗り降りし、外国人はあまり見かけない。また、お金持ちっぽい客も見当たらない。バスは安いがあまり効率的ではないので、お金持ちはあまり使わないだろう・・・。と、言いたいところだが、地下鉄がまだ行き届いていないところまではどうやっていくのだろう? ヘリコプター!? パラシュート!? いやいや、タクシーだろう・・・だけど、スピードでいえばタクシーも大して変わらない。
1時間半くらいして、やっとのことで地下鉄の駅っぽいところまで出てきたので、そこで降りた。だいぶん町外れのようで、大きな体育館が一つ建っていた。僕はそこから電車で一気にSiomまで戻った。僕のすぐとなりに、日本人とタイ人女性とのカップルが座っており、日本語で話していた。バンコクは日本人が多いようだ。
Siomに到着すると、安い食堂でカレーライスみたいなものを食べて、日本人向けの「夜の街」を少し見てから宿まで歩いて帰った。何時間も歩いた長い一日だった!
翌日はチェックアウトして、バックパックを背負って「レインボーホステル」へ向かった。20キロ以上の重さのバックパックだから、今日はさすがに歩かないでおこう!まずは地下鉄でどっかの駅(名前は忘れたが)まで行ってから、ボートに乗った。バンコクにはバスや電車の他、ボートで移動する手段がある。安いし、川沿いの景色が楽しめるし、それに渋滞もないのでバスより早い! これからはボートで移動しよう! しかも、なぜかこのボートは観光客が多く、無料でガイドがついていた。ラッキー!
カオサン通りでボートを降りて、ホテルまで歩いた。しばらくは下品な無国籍地カオサンにいます!
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