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今後とも「3ヶ国語で世界一周」をよろしくお願いします!

2012年4月6日金曜日

ムエラオ

April 5, 2012.

ムエラオ

ふと思いついて、仲良くなったラオス人に「ラオスにもムエタイはあるのか?」と聞いてみた。
そんな彼は激しく頭を横に振り、言った。「ムエタイじゃなくて、ムエラオがあるんだよ! 」と。
だけど、ムエタイのように根強い人気もないし、首都のビエンチャンでしかできないらしい・・・。

ということで、ビエンチャンに着いて、せっかくだから探してみようと思ったわけだが、見つかるのに丸一日かかり、やっと見つけた頃にはもう夕方だった。

中年のお腹の出たコーチと、のんびりと椅子に座っている奥さんと、息子さんらしい少年二人と、それから一人の外国人の選手とそのトレーナーがいるだけだった。
日本で空手をやっていて、世界を周りながらいろんな格闘技に触れたいという旨を伝えたが、 伝わらなかったらしく「ノーノー、ここは空手の道場じゃないよ」と言われた。
もう一度ゆっくり説明して、やっとわかってくれたらしい。
「いいけど、ここでやるのは、空手じゃなくて、ムエラオだよ!?」
「はい、それでけっこうです」
空手と聞くと、少年たちはブルースリーらしき声をまねしながら、飛び蹴りをしたり空手チョップを出したりしはじめた。空手がこの国でいかに普及していないか、よくわかった。
「一緒に練習できますか?」ともう一度聞くと、コーチはいいよと言い、さり気なく更衣室まで案内してくれた。今からすぐに練習をやろうということらしい。

短パンとTシャツという格好で戻ると、最初は10分間縄跳びをやらされた。縄跳びをやりなれていないし、プラシチック製の縄が足に当たると痛くて悲鳴を上げそうになるほどだった。それに、運動不足だったからか、息もすぐに上がるし、ふくらはぎに疲労がたまるのを感じた。

終わると次はサンドバック。これも5分3ラウンドという長さ。暑いからTシャツを脱ぐように言われて、上半身裸で行うことになった。しかしなんと、自分でも気づいていなかったが、運動もろくにしないでいろんな国の名物を食べているうちにぶくぶく太ったみたいで、腹が出ており脂肪の割れ目の線が三つ重ねになっていた。世界を周っていろんな格闘技に触れるんだって、何いい気になってるのか!? きちんと体を鍛えておいてからカッコいいことを言ってよね、って自分に言いたくなった。そして、これからはもう少し体力を整えて、ダイエットもしょうと自分に誓った。

それはそうと、かなり暑いし、空手の息上げのペースでサンドバックを叩き始めたら、すぐに疲れてしまった。しかし、それでもあきらめずに根性だけで声を出しながら技を出し続けていると、コーチにとめられてしまった。ムエラオでは手数を意識するのではなく、一つのコンビネーションか単発でもいいから、とにかく力とスピードを意識するらしい。後ろ廻し蹴りを出したりすると、そんなばかばかしい技をやめて、ヒジやヒザを出すように注意された。

なんとか5分3ラウンドを終えると、今度はリングに上がった。リングに上がるのは、これが人生はじめてだった。カッコよく間から入るなんて意外に難しく、転びそうになった。
コーチにミットをもってもらい、これも5分間3ラウンドをやらされて、技やコンビネーションを指定されて蹴ったり突いたりした。新鮮なのは、ヒジ打ちの4連打だった。左右の横からのヒジ打ちの後に、同じ手でまずはヒジの打ち上げから今度は飛びながら相手の額を狙って打ち下ろす。
へとへとのところで腹筋を行い、その日の練習が終わった。
1時間少々の運動だが、暑いし普段練習していないから、異常なほどにたくさん汗が出た。

水のシャワーをあびてから帰ろうとすると、お金を払うようにと言われた。いくらなのかと聞くと、なんと700円もするらしい。ラオスにしては高いなーと思ったが、いろんなことを教えてもらったから悔いはなかった。そして、涼しい顔で30分の帰り道をレンタルの自転車で走って帰った。

翌日は一緒に旅をしている日本人のSさんとKさんが見学ということで一緒に来てくれた。この日のメニューも似たものだった。縄跳びから入り、次はシャドーを行い、その後はTシャツを脱いでサンドバック。そして、最後はリングに上がってミットの打ち蹴りこみ。

途中からラオス人のタイでもチャンピオンになったという選手と、ラオスに住んでいるフランス人の選手が来た。

二人がパンチだけのスパーリングをやっているのを見るとうらやましくなり、自分もやっていいですかとつい聞いてしまった。そうやって、ラオス人の選手と軽い手だけのスパーリングを行うことになった。
これぞ異種格闘技戦! と言いたいところだが、蹴りが出せないし軽くだから限界がある。蹴りもありでできないかと聞くと、体重差がありすぎるから危険だということで断られた。その答えに、少し疑問を持たないわけにはいかなかった。格闘技というのは、本来誰と戦っても負けないためにあるはずだ。なのに、体重が違うということで戦いが成立しないのならば、自分より背が高い人や重い人との戦い方も覚えないのではないか。非常に狭いパターンの戦い方しか覚えない。そういう意味では、体重無差別の極真ってすばらしいと改めて実感した。そして、多くの実戦を経験し体を鍛えた緑健児のような選手が大きい外国人選手を倒すのってやっぱりすばらしいことだと思った。いくら強くても、ムエラオやムエタイの選手はあくまでも自分と同じ大きさの人と戦って強いだけだ。
 
とはいえ、僕が戦った選手は技術レベルが高かったし、体力もあり根性もある良い選手だった。一緒にスパーリングして、非常に勉強になった。


帰りにまたお金を払ったが、なぜか前日より100円高くなっていた。スパーリング代だろうか? まあいいだろう、貴重な経験はお金で買えるものではないのだ。

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