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2012年4月12日木曜日

コンロー洞窟とその周囲

April 11, 2012.

コンロー洞窟とその周囲

ラオスの首都、ビエンチャンからバスに乗り、約6時間で到着したのが、コンロ洞窟の付近にある小さな村だった。数件のゲストハウスと地元の民家と畑を除けば、そこはまったく何もない大自然だった。インターネットもなければ銀行もない。バーもなければコンビニもない。だが、これこそまさに僕の求めているものだった。美しいとんがり山たちがまるで村を外界から隔てるためきれいに囲んでいた。
ところが、この村で過ごしていると、ちっとも孤独になることはない。村人はみんな親切で、通り過ぎると本物の笑顔を浮かべて挨拶する。また、コンロー洞窟を見に来た外国人も多いため、みんなで食事が来るまで数時間かかる「のんびり食堂」で話したりした。

コンロー洞窟とは、7キロの長い洞窟で、小船で入り、反対側に出る。洞窟の入り口の前に広がる湖は絶妙な光景で、まるで泳ぎなさいとでも誘っているかのように美しかった。

本当は3人で小船に乗ると一番安いが、僕はSさんと二人で来ていたし、しばらく待っても一人だけできた物好きなヤツは現れなかったので、仕方なく二人で入ることに。

僕が今まで入った洞窟はどれも中がライトアップされていたり、観光客が変なまねをしないように柵があったりと、いわゆる人工的な洞窟だったわけだが、一部ライトアップされているところがあったとはいえ、コンロー洞窟は一応本物の洞窟という呼び名にふさわしいものだったと思う。
特徴としては、洞窟の中に川が流れていることが挙げられるが、途中で浅くなって一度降りて船を深いところまで押さなければならないことがたびたびあった。そうすると、二人のガイドはラオス語で何かを叫びながら力強く押したので、僕はSさんと二人でその叫び声をまねして押すのを手伝った。

途中でワニの形をした岩があったり、人の腕のような形をした木の枝があったりと、一瞬鳥肌が立つような光景も少なくなかった。ガイドの懐中電灯がもしもなければ、この真っ暗な空間はきっと想像を絶するほど怖いのに違いない。
漸く洞窟を抜けると、そこにはとても美しい川景色が続いていた。色鮮やかな蝶々が、トロピカルな植物の上で体を休めていた。

数頭の水牛は気持ちよさそうに水浴びをしていた。その付近に船を泊めて休憩すると、僕はさっそく水に飛び込んで水牛と一緒に泳いだ。しかし、近づきすぎると警戒するので、一定の距離をおかなくてはならない。遠くから眺めていると、牛も実は意外に可愛い顔をしているんだなと思った。

帰りはまた同じように船で洞窟に入り、途中で船を降りたりしながら進んだ。出発して約2時間後に漸くまた反対側に戻ってくると、僕らはもう一度湖に飛び込んだ。一人の村人が全身に石鹸をかけてから気持ちよさそうに水浴びをしていた。

村に戻ってくると、大きなトラックが到着していた。村の一週間分のビールらしい。そうだ、たとえこんな田舎でも、ビールがないと生きていけないのだ。

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